声優史学

声優さんとお酒

2/8 2/9 ラブライブ!μ’s→NEXT LoveLive!2014 ~ENDLESS PARADE~ 感想その2

 

この思いを2日間寝かせて、色んな人とのやりとりとのログを見返して、ようやくそれなりに整理ができた。
今度こそライブ自体の感想を書きます。



・全体としては、本当に、凄かったとしか。本当は言語化するのも憚られるほどの神聖さのような高尚な何かをあのライブで感じたくらいなんだけど、そこを何とか頑張って何点か挙げてみる。

・まず、最初のキャラクター紹介の演出について。これ、素直に白状するとこのライブで一番ぐっときたポイントな気がする。というのも、これまで僕が再三に渡り主張してきたように(しつこい)、μ'sのライブの魅力は「生身の声優を作品世界に近づける(3次元→2次元)」というポイントにあるのではないかと考えていた。ところが、今回のライブの最初にあったキャラクター紹介の演出は「観客のカメラにCGキャラを重ねる」という、我々の世界の側にスクールアイドル達を降臨させる(2次元→3次元)、これまでとは真逆の手続きが行われていたわけで、本当に一本取られたし、彼女らが現実世界で踊っているかのように結構本気で錯覚してしまった。正面から襲われる準備を万端にしていたのに背後から刺されたような虚を突かれた気分だった。ライブの内容をあまり覚えていないのもこの演出に完全に持って行かれてしまったからというのもある。あの場面で「えっ実は客席の上で踊っているμ'sが見えるの?もしかしてこの席の近く?大閃光折って確かめる?」と感じて会場中を見渡したのは僕だけではないはずだ。きっと。2日目は機材の調子悪かったのか途中からしか映らなかったのが本当に残念。

・本当に衣装が良かった。予算が増えているからというのもあろうけど、毎回我々の期待を超えるレベルのものを用意してくるのは本当にさすがとしか。パンフも3000円出す価値がある。もっとも衣装という点に関しては、2日目はスクリーンがあんまり見えない席だったのもあってそこまではっきりと覚えていないので、終わった後のキャストのTwitter上での画像のやりとりなどを見て改めて「はぁ…」ってなってる面も多いけど。写真付き公式レポまだかなぁ。

・圧倒的にサービス精神が旺盛だった。頭皮を痛めながらがっつり髪を染めてとさかまで作る内田彩さんは本当にさすが。それからファンの側でのキャラクターの在り方(いわゆる二次創作)をしっかりと踏まえた上での演出。具体的にはアンコールのにこまきとかにこまきとか、あとにこまきとか。衣装を直す(脱がす?)jolskとか。特に硝子の花園のコンビがそこまでやる?やる?ってくらいに濃密。1日目の方は200レベルかなり前の方だったからジョルノを本当に近くで見られた。アンコールの「10人目のμ's」演出も昨年6月に行われたμ's 3rd Anniversary LoveLive!(以下3rd)のアンコールを踏まえたものだった。(もっとも、こういった点に関しては「媚びている」という反論も予想されるのだけれど)

・あれだけ広いアリーナ、花道を余すところ無く使うパフォーマンスをしていたのは本当に凄かった。ただでさえPVの激しいダンスをやっていたろうに、ユニット、ソロ曲となると花道ダーって走ってステージでワーってやって、もう本当に体力お化けかって。終わった後にアリーナA席当たった人と話したりもしたけど、本当にああいう席で見らてた人が羨ましいぞ……。

・1日目と2日目とのセットリストはほとんど同じだった(後述)。が、2日目のほうが心なしかキャストがライブを楽しんでるんだなぁ、という印象を受けた。ただ、休憩時間もといピクチャードラマが2日間全く同じだったのもあって、2日目は観客が全力で休憩してしまってその分レスポンスがあまり良くなかったかな?という気もした。その点アンコールで使ったアニメがちょっと変わっていた点に関しては、ようそこまでやるな、という感じだったけど。セットリストに関しては今までもそうだったように「9人でこそのμ's感」があって、常に何らかの一貫性が見えてくるのだけど、それによって構成上どうしてもライブで出す機会がなくなってしまう曲があってしまうのは残念な気もする(例えば穂乃果の愛は太陽じゃない?は出てからかれこれ2年経つのにライブ未披露で、いずれ聴きたい曲のひとつでもある)。

・3rdの時に強調されていた「最初の頃はこんなに売れなかったのに~」といった点を一切出してこなかったことは、このライブでμ'sは"NEXT STAGE"に到達したんだな、ということを強く感じさせた。今になったから振り返ってネタにできるけど、去年の今頃(アニメ1期放送中あたり)は本当にこんな無茶をさせるコンテンツいつ破綻してもおかしくないな、と思っていた。実際に昨年1月のμ's New Year LoveLive! 2013(以下NY)ではジョルノが不参加だったわけで、さらに昨年4月からみもりんはソロデビューしちゃうしで、これはもうμ'sの練習してる場合じゃなくなるんじゃないかって非常に心配していたので、だからμ'sがこのライブを行えた事自体が奇跡なんじゃないかとさえ思える。昨年3月のベルサールでのシークレット()イベントの際はあれだけ不安そうにステージに立っていたくっすんもSSAでこんなに毅然として……とか、南條さん相変わらずどころかますますエンジョイしてるなぁ、とか、りっぴー若くて元気だなぁ、とか、本当にこのメンバーには無限の可能性を感じるなぁ、と改めて感じた。何にせよ、ステージを踏むたびに新しい感動を届けてくれる彼女らは本当に素晴らしいし、その裏にある努力も一体いかほどのものだったのだろうかと考えるともう本当に、さすがとしか。

・この「今までのμ'sとは違った、新しい姿のμ's」という点に関して、何人かの方と意見交換したところ、人によっていろいろな見方があった。僕は前述のように3rdまでのライブを一区切りとして、さいたまスーパーアリーナという大舞台でもしっかり踊りこなせるくらいの実力をつけたのだなぁという、肯定的な意見なのだけれど、中にはこのような大舞台に立つことで、かえってμ'sが遠くの存在になってしまった、という声もあるようだった。確かにラブライブ!というプロジェクトは元はといえば読者参加型の誌上企画として始まったのだが、今はもうアニメ、声優、楽曲のコンテンツという面が強くなっているという面について異論はないと思う。かつての小さな会場でやってた頃のように間近で観客の声を聴くというよりはむしろ、μ'sが見つめるのは次のステージ、来年のSSAスタジアムモードなのではないか、という意見を聴いた時は、ああなるほどな、と思った。以前、電撃G's読者でありラブライブ!古参の方がアニメ以降増えたにわか百合豚のことと、それを明らかに意識している公式(主にアニメスタッフ)に対して苦言を呈していたのを見たことがあるが、売れはしたしレベルは上がっているものの、企画の当初の形とは全く違うものになってしまっているのだろうなぁ、とはアニメちょっと前あたりにこのコンテンツに入ってきた新参の僕でも理解できるところである。特にこのような喪失感を強く感じるポイントは、これまでのライブに毎回あったアンコール後の個人挨拶がなく、あっさりと歌って終わって退場していったことだという意見もあった。この辺りのコンテンツの大規模化(商業的成功)とファンとキャストとの距離感のバランスの落とし所は非常に難しい所だと思う。果たしてラブライブ!は、当初掲げていたように真の意味で「みんなで叶える物語」を体現するコンテンツとなるのか、それともこの表題は単なるイデオロギーとなってしまうのか。

・実際に僕も、これまで何度か見る機会があった「ステージ上のμ's」と今回の「さいたまスーパーアリーナに立ったμ's」は全然違う存在なのだなぁ、と感じるところがあった。なんというのだろうか、彼女らはまた「偶像」「アイドル」に一歩近づいたのかなぁ。不思議な感覚だった。前述したファン~μ'sの距離の遠さが、逆に僕にとってはμ'sに惹かれる一つの要素でもあったというか。(この話を続けると気持ち悪い人になってしまうので程々にしておく)



・それにしても、つくづくラブライブ!で人生をダメにしてしまったことだなぁ。ラブライブ!がなかったら健全な人生だったかというと必ずしもそうではないような気もするけど、むしろ他の何か(いわゆる酒タバコパチンコ風俗みたいなの)で人生をダメにしていた可能性もあると考えれば、ラブライブ!で人生をダメにしている今の人生はいくらか幸せなのだろうか。ああもうこういうことを考えるのはやめよう不毛だ。僕はきっと幸せなのだ。


最後になりますが、新田恵海さん、内田彩さん、三森すずこさん、久保ユリカさん、飯田里穂さん、Pileさん、徳井青空さん、楠田亜衣奈さん、南條愛乃さん、そしてスタッフの皆様、会場周辺で僕に付き合ってくださった各位、ありがとうございました。



<参考>
セットリストは以下の通りでした。

【1日目】
01. Music S.T.A.R.T!!
02. 僕らは今のなかで
03. 夏色えがおで1, 2, Jump!
04. Wonderful Rush
05. ススメ→トゥモロウ
06. 夢なき夢は夢じゃない
07. Anemone heart
08. なわとび
09. Beat in Angel
10. にこぷり♡女子道
11. 硝子の花園
12. LONELIEST BABY
13. 輝夜の城で踊りたい
14. もぎゅっと "love" で接近中!
15. baby maybe 恋のボタン
16. LOVELESS WORLD
17. No brand girls
18. Snow halation
 [Encore]
19. START:DASH!!
20. 友情ノーチェンジ
21. 僕らのLIVE 君とのLIFE
22. きっと青春が聞こえる

【2日目】
1日目のうち、5曲目~11曲のみ以下に変更。それ以外は全く同じ。

 

05.微熱からMystery

06.キミのくせに!
07.Cutie Panther
08.夏、終わらないで。
09.UNBALANCED LOVE
10.Pure girls project