声優史学

声優さんとお酒

秋葉原酒飲み記録

「声優さんの幸せと、自分自身の幸せを混同してはならない。それでも、混同しちゃってるオタクが多いんだよね。」
 
「なるほどね。」
 
「ガチ恋なんかしちゃったらそういう区別をしている場合じゃないんだろうけどね・・・。」
 
「まぁ・・・恋は盲目っていうし・・・。
 
 
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「僕はけいおん!にハマったことで、ただアニメを見るだけのオタクから、声優さんのことを調べたり、二次創作イラストを集めたり、果ては自分でSSを書くようなオタクになったりした。オタクっていうのは本当は様々なあり方があるはずなのに、ひとくくりにされていることが多い。根が深い問題である。」
 
「なるほどね。」
 
「翻ってラブライブ!だって僕らにオタクとしての様々なあり方を提示してきた。元々G'sから始まって、楽曲、アニメPV、ライブ、そしてTVシリーズ、劇場版、スクフェス、聖地巡礼・・・公式が提示したあり方でもこれだけ幅が広いのに、オタクによる二次創作も含めるとさらに広範になる。」
 
「しかし、その広さがかえってライブ現場を無秩序にしているというあり方も。」
 
「そう。やはり、ラブライバーは年齢層が低い。おそらく、ラブライバーにはラブライブ!が原因でオタクになった、初めてハマったオタクコンテンツがラブライブ!である人が多いと思われる。」
 
「なるほど。そう考えるとスクフェスは無料で遊べる幅が広いから中高生にもウケたんだろうなぁ。」
 
「正直、ラブライブ!は大好きだし、愛してるし、何度も救われてきた。でも、現場にいって缶バッジをジャラジャラしてるオタクを見るのはいい気分になれないし、僕もラブライバーとして彼らと一括りにされてしまうのは苦しい。」
 
「そして僕らが葛藤を抱える原因となっている存在は、そんな葛藤を抱えることもなくオタクしてるんだろうなぁと。」
 
「まぁ、オタクってそんなものなんだろうよ。」
 
 
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「声優オタクのあり方もいろいろだよね。僕は単推しが多いとよく揶揄されるけど、例えば三森すずこさんに対する姿勢と大橋彩香さんに対する姿勢は同一ではない。憧れとしての推しと、応援としての推しは明確に区別されるべき。」
 
三森すずこさんに対しては、憧れとしての推し、だよね。」
 
「その通り。しかし、彼女のストイックさ、真剣さに惹かれているからこそ、僕は彼女のツアーに全通などしている場合ではないような気がしてきて、それもまた葛藤なんだよね。僕が自己のあるべき姿の投影としての三森すずこさんを求め、ライブに通えば通うほど、その姿は自分から遠ざかっていく。本当はもっとストイックに生きなければならないのに、何をやっているんだろう、と。」
 
「なるほどね。それで、後者の、応援としての推し、とは。」
 
「端的に言えば、ホリプロ声優なんかはこのスタンスで推しているオタクが多そうだよね。」
 
「しかし、どちらにしても、推すのが義務感化してきたら、それはオタクの退き時なんだろうね。」
 
「だろうね。オタクなんて社会で評価される存在じゃないんだから、そこは変にプライドを持って固執するべきではないんだろうね。」
 
「自然に冷めるにしても、何にしても、オタクはいずれ引退すべきだというのはわかっている。現場で40前後くらいのおっさんを見ると、さすがに自分はああはなりたくないな、って考えてしまう。」
 
「タバコみたいなもんだよな。」
 
「やってる人は辞めたいと思っている、だがなかなかやめられない。」
 
「そしてやめられない人に限って”やめます”という、と。」
 
「ほんとそれ。」