声優史学

声優さんとお酒

内田真礼さんの初めてのソロライブ「UCHIDA MAAYA Hello, 1st contact!」に参加した話

久しぶりにイベント感想を書きます。

 

・結論をいうと、やっぱり内田真礼さんはすごい。僭越ながら、歌唱や演技がぶっちぎりで上手いわけでもなく、ダンスがぶっちぎりで上手いわけでもなく、なのに何故我々をあんなにも魅了するのかというと、それは彼女自身がステージで誰よりも楽しく歌っているからに他ならないと思います。今まで「オタクになる」という一言でこの気持ちを片付けていたけれど、今日のライブでよくよく考えてみたらそういう結論なんだなって思いました。

 

・セトリに関してはアルバムの曲順そのままという某レーベルメイト森すずこさんのライブを彷彿とさせるセトリでしたが、それでも受ける印象は全く違っていて、アルバムの再現に重きを置いていた某森さんと異なり、内田真礼さんの今日のライブはアルバムを元にあくまで彼女が楽しく思い切り歌い切ることが1つの到達点だったのではないでしょうか。

 

・パフォーマンスについて、ところどころ歌が安定しなかったり見ていてヒヤヒヤするところもあったけれど、後半はだんだん波に乗ってきてそんなこともなくなってきたし、何よりも彼女が楽しく歌っていて、それが強く伝わってきたのがこのライブの良さだったように感じました。

 

・ステージ上の舞台装置や演出について、これも実に的確で良かったと思う。PENKIに塗られたバンドメンバーのお立ち台、バックダンサー(作業員)、そして真ん中に高く積まれたジャングルジム、特に最初の登場がジャングルジムに乗ったままというのには度肝を抜かれました。そして何よりも縦長と横長の2つのディスプレイにそれぞれ別々の映像を流す演出があまり他のイベントでも見ない使い方で新鮮でした。わたしのステージで過去イベントの写真を流す演出はずるい。

 

・PENKIというアルバムについて、過去のイベントや雑誌のインタビュー等でも触れられている点ですが、これといったコンセプトが存在するわけでもなく、むしろ内田真礼さんの好きな色で染めてみたらいいよ!という感じが強く出ているのが逆に個性となっているように感じます。

その個性は、おそらく創傷イノセンスを出した時から今まででちょっとずつ変わってきているもので、きっと今後も変わり続けていくのだろうと思いますが、その時その時の”自分の色”を出すこと、それを楽しむことについて、こと内田真礼さんのこだわりは凄いのだな、と今日のパフォーマンスを通して改めて感じました。

Hello, future contact!を歌うとき、必ず「みなさんの好きな色を振って下さい」というMCが入るのですが、これが彼女自身も、観客のみんなも、一体となってこのステージを楽しみましょう!という気持ちの現れなのだなぁと、この曲が歌われるたびに思っています。

 

・僕が常々考える声優のアーティスト活動の魅力として「声優は役者であり、何者にもなれる存在である」ということが挙げられます。やはり声優さんのパフォーマンスは表現の幅が非常に広い。これが僕が歌手でもアイドルでもなく敢えて声優のイベントに行く理由なのだと、答えたいと思います(そんなことを聞かれる機会はありませんが)。

前述のPENKIというアルバムに込められた思いとも関連しますが、今日のライブも、何者にもなれる内田真礼という存在を感じられるパフォーマンスだったと思います。

 

内田真礼さんがMC中で「ギミー!レボリューションの間奏でいつもギター!って言うけど、キーボードのかっこいいソロもあるし、今度やるときはピアノ!っても言いたいよね!」って言ったことを受け、アンコール中感極まって歌えないよ~って言ってた内田真礼さん(かわいい)に「じゃあさっきのピアノ!ってやつやりませんか?」って提案するバンマスの黒須克彦さんはね、最高だと思います。

ということ以外にもこれどこまでが台本?高まりゆえのアドリブ?みたいな場面も多々あり、それが本当にパフォーマンスを楽しんでるんだろうなぁ、と感じさせてきて、もう良いったら。

本人が一番楽しんでいるがゆえに、酒が呑みたいだのパワプロがしたいだのといった素の気持ちも出るのだなぁ、と。

 

・MCで「この1年はとても色んな経験ができたし、あっという間に時間が過ぎたけど、それで自分自身がとても成長できたし、20代中盤の多感な時期にもっと色んなことに挑戦したいと思う」という旨の発言があって、ああ同年代の人間としてはやっぱり色々なことを見聞きしていきたいなあ、と強く共感した次第です。

 

 

内田真礼さんのアーティストとしての初めてのソロライブ、本当に楽しかったし、幸せでした。元気も頂きました。ありがとうございました。次も行きたいです。

 

おまけ