「Mimori Suzuko Live Tour 2016 “Grand Revue” 武道館公演」に参加した話
平日の木金というまっとうに勤めている人泣かせの日程ながら、強引に休みをねじ込んで掲題のライブに参加した話をします。
(詳細は割愛しますが)僕は三森すずこさんのオタクになって久しく、それゆえに感じるところもあると思うので、読む人を選ぶ文章かもしれませんが、ありのままに思ったことを書いていこうかと思います。
・三森さんのストイックさ、上昇志向
僕がとにかく三森さんのライブに行くごとに感じさせられるのが、彼女のストイックさです。
元々ミュージカル出身なだけあり、声優アーティスト活動を始める前から歌やダンスの土台はあったと思いますが、それでも演技力を上げること、ステージの完成度を上げること、観客を魅了することに対し真剣で、ライブをやるごとにどんどん実力をつけているように感じます。いや、むしろミュージカル出身だからこそ、歌に限らずダンスも含め、総合的に観客を魅了することに傾倒しているのだと思います。
三森さんは、オタク(下)よりも自分自身の目標(上)を強く意識しているように感じます。(言い方が悪いですが)リップサービスとして応援して下さる皆さんのおかげで~という事も勿論言いますが、僕個人としてはファンへの愛情もそこそこに、むしろ三森さん自身が高みを目指し、その「背中」を我々に見せて欲しい、そんな思いがあります*1
アンコールのMCで三森さんは、自身も加わっていたユニットのμ'sが紅白に出場し、東京ドーム公演を行うまでに成長したことに触れつつ、「私はまだまだ夢を見ても良い」ということを語りました。この言葉は単なるパフォーマンスやメッセージではなく、本人の体験に裏打ちされた言葉だからこその迫力を感じます。μ'sが云々の件がある前から、三森さんはストイックで上昇志向だと思っていましたが、特に今日の武道館のステージでのMCは強気だと感じました。これはきっと、μ'sやミルキィホームズといったソロ以外の活動の実績に裏打ちされているアグレッシブさなのでしょう(30歳にして!)。
このようなストイックさ、アグレッシブさは、ソロ活動の初期よりも明らかに顕著になっています。先述のように、ソロ活動のみならず並行したユニット活動で実績と自信を得たおかげなのでしょう。*2
・ライブ全般に関して
今回は三森さんのアーティストソロライブとしては初めての生バンド演奏が試みられていました。正直にいって、歌とダンスを組み合わせる三森さんのスタイルに生バンド演奏がどれくらいフィットするのか、ちゃんと噛み合ってくれるのか、未知数ゆえに不安に感じるところもありました。*3
しかし実際のところそれは全くの杞憂でした。CD音源になかったドラムアレンジだ!あのギターソロが迫力の生演奏だ!と終始テンションは上がりっぱなしになっていました。CDで死ぬほど聴き込んだ曲だからこそ細かい違いに気付いてしまう。*4
そして生バンド演奏のほか、今までのツアーやソロライブであったような物語仕立ての構成、ミュージカル的演出はそのままに、1stツアー、2nd舞浜公演にも登場したいつものダンサーのみならず総勢50名ほど?のバックダンサーといった、いつもの三森さん公演にあるようなエンターテイメントとしての完成度の高さは今回も変わらず、どころか一層パワーアップしていました。まさにポニーキャニオンの大艦巨砲主義。
三森さんはそんなショーの主役ですが、それでもあくまでキャストの一部、ということは終始貫かれていて、アンコールを除いてほとんどMCはありません。声優さんのソロアーティスト活動の中でも非常に特殊だと思います。前述した通り、言葉ではなく「背中」で語るスタイルです。
雨後の筍のごとく声優がアーティスト活動を始めるこの時代にあって、これだけの個性を発揮できていることは、彼女の持ち味であるミュージカル経験を十分に活かせていることが大きいように感じます。思えば、元々はミュージカル志望だったのをたまたまスカウトされて声優になり、声優というフィールドでありながらもミュージカル経験が生きている三森さんを見るに、たとえ人生の方向転換をしたとしても、それまでの自分の経験は全く無駄にならない、活かし方によってはいくらでも活かせるのだなぁ、と思います。
そんな姿を見るに、僕自身の人生を振り返っても、夢はまだ見てもいいのでは?まだまだ新しいことにチャレンジできるのでは?と思わされます。
・最近の自分のオタク活動のスタンスについて
三森さんに関しても、以前ほど*5の熱意で追いかけるモチベーションはなくなってきているのですが、それでもこのように強くインスパイアされるのもあり、無理のない範囲でイベントには参加していきたいものです。
年齢を重ねるごとに、自分の人生のリソースの中でオタク活動に割けるパイが減っているのもあり、「人生から逃げるためのオタク活動ではなく、人生に立ち向かう元気を貰うためのオタク活動でありたい」という方向で生きているのですが、そんな自分にとって三森さんの活動は、まさに「元気をもらうためのオタク活動」という位置づけに、だんだんなっています。義務感で推すのではなく、楽しいから、元気がもらえるから、オタクとなる。
かつて少々深く足を突っ込みすぎた反省があるからこそ感じるのかもしれませんが、それぐらいの距離で、あくまで自分自身のためのオタク活動であるという枠をはみ出ないことが、持続可能で望ましいオタクの在り方なのではないでしょうか。
今回の武道館ライブに関してすげぇ!と思った点は他にも沢山ありますが、これ以上はあまりにも細かくなるのもあるので、ひとまずはこの文章を読んだ方に、僕の考える三森さんの良さを伝えるにとどめるため、このあたりで筆を置きたいと思います。*6
なんかもう、三森すずこさんのライブに行くごとに強烈にストイックで上昇思考な生き様にインスパイアされていて、三森すずこさんという存在は高度経済成長という成長神話を失った我々世代の日本人にとって、成長の象徴であり、希望の光ではないだろうかという少々大げさなことを考えてしまっている
— あき# (@akki2446) October 27, 2016
おまけ
持ち物を紛失してはないけど破損はした(アンコールのせいいっぱいで大閃光に持ち替えようとしたら千切れた) pic.twitter.com/t5hjxiWLmO
— あき# (@akki2446) October 28, 2016
セットリストは以下のレポを参照して頂ければ。
*1:もっとも、この方向性は認知を求めるタイプ、接近イベントでのコミュニケーションを求めるタイプのオタクとは相容れないと思いますので、合う合わないの個人差はあると思います。そうやって他界してしまったオタクも少なくないようです。
*2:余談ですが、三森さんの2014年の抱負は「アグレッシブ」でした。ミルキィホームズお正月ライブの書き初めより。 http://ameblo.jp/mimorisuzuko/entry-11744453404.html
*3:直近で参加したものだと内田真礼さん、新田恵海さん、内田彩さん等のライブが生バンド演奏でしたが、それらのライブは歌メインでさほどダンス等はなく、楽曲にもバンド映えするものが多かったので、無意識に比較してしまいそうだった、というのもあります。
*4:特に個人的に「化けた」と感じた曲はHeart Collection、ミライスタート、スマイリウム。
*5:具体的には1stツアー~2nd舞浜ライブあたりの時期。平然とCDを積みまくっていました。
*6:細かい感想についてはtwitterでヘラヘラ語っていますので宜しければ。 http://twilog.org/akki2446/date-161027 http://twilog.org/akki2446/date-161028 http://twilog.org/akki2446/date-161029